医師ヴィンセント・J・フェリッティと疫学研究所ロバート・アンダ著
「小児科トラウマがもたらす病」という本があります。
この本には両者が行った衝撃的な研究結果があります。
ACE研究
17421人対象に行われたかつてない大規模で画期的な研究により、
それまで見逃されていた一つの事実を疑問の余地なく明らかにしました。
子供時代に逆境を体験した人ほど発症率のあがる病気があるということを。
それは、原因不明の自己免疫疾患、心疾患、肥満、がん、繊維筋痛症。
抜粋
「フェリッティが言うように、これは「これまで誰も口にできなかった、
多くの苦しみの原因が特定された瞬間だった」P36」
子供の頃に刻まれた心の傷。。。は
まさに 時限爆弾のタイマーをセットするようなことだったのです。
もちろん その病気になる人にはみんな心の傷があるということではありません。
あくまでもこれは発症率が高いということです。
虐待や家族の機能不全、日常の心の傷、苦痛、もちろん生死にかかわる事件などがあります。
それらは、テロメアを短くしストレス耐性を書き換えます。
さらには、脳に慢性の炎症を引き起こすことがわかってきました。
これは。ヴァン・デア・コーク博士が提唱する「発達性トラウマ障害」DIDにも
通じる考え方です。
トラウマというと心の問題とみなされがちですが、発達性トラウマの場合は、
トラウマが身体的また生物学的なものであり、多種多様な原因不明の心身疾患を
引き起こすと博士は説明されています。
悲惨な家庭環境で育った子供のテロメアは約40%も短いことがわかっており、
子供の頃のトラウマがある人は慢性疲労症候群になる確率が6倍になります。
そして、
うつ病やPTSDは老化を伴う全身疾患であることも最新の研究によりわかっています。
抜粋
たとえて言うなら、通常の場合はストレスが高くなるとストレスホルモンや物質が
点滴され、危険が過ぎ去ると点滴は終了する。
ところが、幼小児の逆境のせいで脳にエピジェネティック変異が起きた子供は
毎日、炎症を起こす闘争・逃走ホルモンの点滴液を大量に投与されているようなものだ。
しかも、停止するスイッチはない。
(省略)そうして何十年ものあいだ無意識に炎症を起こす物質に侵されているうちに
いずれ症状が爆発するためのお膳立てがなされるー
過敏性腸症病、片頭痛、喘息、がんといった形で(p66)
子供は慢性的にストレスにさらされると、麻痺してしまいバランスの取れた反応ができなくなります。
そう、自分が何が嫌なのか。。何が好きなのか。。透明になっていくみたいに。
そして、絶えずいつくるかわからないストレスに警戒をし、
そのためにエネルギーリソースを奪われ、
真のリラックスを感じることなく、安心して生活することができず、
からだはいつも硬直しつづけます。
そして、たまにくる限界をむかえたほん時間、緊張の反動で低覚醒したぼやけた意識の
なかで、しばしば多動やADHDと誤診されます。
ONかOFFか そのなかをさまよい続け、OFFでさえも自分でコントロールできない。
頑張って頑張ってその先に強制終了するまで耐え続ける。
それはたとえヨガでリラックスしたポーズでもまったく休まらないからだと
いうことが観察されています。
ストレス反応やサントカインに常にさらされていつからだが、慢性疾患へと
さいなまれていくことは想像にかたくないでしょう。
人はストレスに対してその反応を終了するためにコレチゾールが分泌されます。
しかし慢性のトラウマ経験では、このコレチゾールの分泌量が少なくなるのが
わかっています。
コレチゾールの分泌量が少なくなると、体がストレス反応をOFFにできなくなります。
それにより、延々と続くストレス反応により、脳が慢性炎症を起こすことになります。
困ったことにそれは、ジャンクフードに頼ってストレスを紛らわすようになるという
研究結果があるのです。
これは 肥満という病にもつながって行きます。
もしかしてあなたの悩みもここへつながるのかも
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