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執筆者の写真夢ごこち

条件反射;どうしてやめられないのか

ロシアの生理学者イワン・パブロフは、繰り返しによる週間を「条件反射」として発表して、1904年パブロフは動物実験をもとにして人間の行動パターンを探求した功績により、生理学と医学の療法でノーベル賞を受賞した。

 これが有名なパブロフの犬だ。

犬に餌を与える直前にベルを鳴らす。これを繰り返すことで犬は餌が与えられるか否かにかかわらず、ベルの音を聞いただけでよだれを垂らすようになった。

これは、驚いたことに犬が空腹でないときにもその現象は起こった。

犬の脳がベルの音を餌が与えられる信号ととらえ、ベルが鳴っただけで腸に消化液を分泌せよという命令を与えた証拠なのだ。

 そしてこの研究は人間の行動に関する新しい視点を開いた。人間は犬よりもずっと理性が発達しているにもかかわらず、感覚的な信号を脳が受け取ると、犬と同じように反射的な行動をとるというとだ。


たとえば、たばこを2箱一日に吸う人がいるとしよう。コーヒーを飲むたびに、もしくは食後に、ほかにもなにか特定のきっかけがあればたばこに火をつける。たばこが体に悪いことなど百も承知である。だから何度もやめようと意思を固くし何度も禁煙するがどうしてもやめられない。そのたびに自己嫌悪におちいり、また禁煙の誓いを立てるのだ。

なぜだろう?

それは、たばこを吸う行為が安心感とくつろぎ感(感覚)につながっているのだ。イライラしたとき、疲れたとき、心配事ができたときたばこに火をつける。ただ、安心感を得たいのだ。

同じように食後にくつろぎ感を味わうためにたばこを吸う。

そうでないと食事を終えた気がしないのだ。


パブロフの犬は現実のベルの音に反応し、人間は意識の中のベルに反応する。


そして、食べ過ぎてしまう人は空腹だから食べるのではない。どうしようもなく食べたくなって食べずにはいられないのだ。


このとおり、なぜか繰り返し与えられたベル(意識のなかの)によって人間は条件反射で行動していることはおわかりいただけただろうか。


さらに、もう一つパブロフの犬はもう一つ重要な発見をしている。

それは、「感情」が伴うと条件反射の効果はさらに深まり、しかも瞬時に定着する。

先ほどまでは、繰り返し行われるベル(意識のなかの)で条件反射が行われるが、こちらは瞬時に、たった一度のインプットでも条件反射がそれ以降おこなわれるというのだ。


想像してみてください。例えば、宅配の配達員が初めての配達先の庭に入ったとき、番犬に吠えられて驚いた配達員がとっさに犬を蹴飛ばす。犬はおびえて配達員の足にかみつく。

 このとき両者は怖れ(感情)から反応している。すると、怖れの感情と反応が強く結びついてしまう。その反応が配達員と犬の条件反射となり、残る(定着する)。

それ以降、配達員はどの犬を見ても「またかみつくのではないか」と怖れ体がこわばる(行動)。

 犬はどの人間を見ても「また蹴られるのではないか」と怖れ以前にもまして吠える(行動)。


私たちは自分でも気づかないうちに条件反射で行動しているのだ。

そして じつはその条件反射を「暗示」とよぶ。



暗示(条件反射)は潜在意識に記憶され観念を創り上げる。そしてこれも自分では気づかないうちにその観念に基づいて反応している。

なかには全く理屈に合わない反応もある。

いったんこのような反応が存在することに気づけばはっとし自覚する。

たとえば、子ども時代に男性についていやな思い出がある女性は「おとこなんてみんな同じだわ」と言い続ける。子ども時代に母親や女性からひどい仕打ちを受けた男性は「女は信用できない」が決まり文句となる。


その他の暗示も潜在意識が受け入れた結果の条件反射だ。

・ある特定の匂いをかぐと気分が悪くなる

・ある人に会うと楽しくなる、いやな気分になる、なごむ、緊張する、イライラする。

・雨が降ると、すがすがしくなる、気分が落ち込む。

・コーヒーの匂いを嗅ぐと落ち着いた気分になる。

・テレビを見ていると何か食べたくなる。

・ある場所やものに対して、緊張する。

・自分の意見に反対されると怒りがこみ上げてくる。

・いくら頑張ってもどうせ無駄と思っている

・うちの子ときたら手に負えない


これらを踏まえて 催眠療法では潜在意識がもつこの性質を利用している。

知らないうちに自分でかけた暗示を催眠療法でとけるとしたら素敵だと思わないだろうか?



この続きはまた次回。

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